この記事は、2019年6月18日に公開していたnoteからの転載記事です。
今回は WordPressテーマ『SWELL』を作りはじめたきっかけや、開発するまでの経緯についてざっと話してみようかなと思います。
この『SWELL』というWordPressテーマは、実は プログラミング歴3年目に突入した頃に たった一人で作り始めたもの でした。
「有料WordPressテーマ」というと、企業が開発していたり、開発経験が豊富なベテランエンジニアがデザイナ ーやマーケター達と協力して作ってることも多いです。
そんな中、なぜ、まだまだペーペーで未熟者の私が一人で開発をすることにしたのか。
何かに挑戦したいけど「自分はまだ未熟だからもう少し準備してからにしよう…」と、つい思いとどまってしまう人の背中を押すべく、話をしていこうと思います。
伝えたいことを先に述べておきますと、
まあそんな深く考えずとりあえずやってみようぜ
ってことです。
何かを「作ってみたいな」と今はまだ 思っているだけ の人が、この記事を読んで、実際に作り始めてくれたらいいなと…。
SWELLを開発することを決意したきっかけ
実は「これがきっかけだ!」というような強烈な出来事はありません。
SWELLを作り始めるまでの流れは、
という非常にシンプルなものです。
じゃあなぜ、「作りたい」と思うようになり、「作れそう」になっていき、実際に「作る」までの行動に至れたのか。
その辺を少しだけ掘り下げてみようかなと思います。
自分で使いたいテーマが世の中になかった
「作ってみたい」の最初のきっかけ。
自分でブログを始めようかなと思った時に、使いたいテーマが一つも見つからなかったんですよね。
WEB制作会社でバイトをしている頃、学んだことを整理するためにWordPressでブログを始めたんですが、その時に初めて、世の中に出回ってる「WordPressテーマ」というものを探してみました。
が、「これだ!」っていうのが全然なくて。
使いたいのがないから、自分で作っちゃおうかな
というシンプルな発想で 結局自分で自作することにしたんです。
しかし、この時に作ったものはカスタマイズ性が皆無の自分専用テーマです。デザインの調節などはすべてテーマファイルを直接編集するものでした。
いわゆる「独自テーマ」というやつですね。
この時に、「いつか自分自身が使いたくなるような(一般向けの)WordPressテーマも開発してみたいな〜」と思うようになりました。
フリーランスになって気づいたWordPressの便利さ
独自テーマこそ作ってはいましたが、バイト時代はかなり限定的なWordPressの使い方をしていました。
なのでこの時はまだ、WordPressが世の中でどのように使われているのかすら全く知らなかったです。
メニューやウィジェット、カスタマイザーなどは一切触ったことがなく、エディターも自分のブログ以外ではほぼ使ったことがないくらい、酷いレベルでした…。
しかし、フリーランスとして働きだすとその状況は一変します。
『ココナラ』でサービスを提供しているうちに、「WordPressサイトをカスタマイズする仕事」をたくさんいただけるようになりました。
その中で、WordPressの一般的な使われ方を知ることができたのです。
WordPressテーマでできることの多さや、便利さ、
プログラミングの知識がなくても、誰でもWEBサイトが作れる
というWordPressの真価に、やっとこさ、気づくことになります。
(有料テーマを使ってる人が意外と多いというのも、この時に知ることができました。)
そしてWordPressを知れば知るほど、「やっぱWordPressテーマ作ってみたいな」と、改めて思うようになっていきます。
徐々に「作れそうかも」と思い始める
たくさんのWordPressカスタマイズ依頼を引き受けていく内に、できることがどんどん増えていきました。
最大限に成長を加速させるために意識していたことは、「まだできないけど、調べればできそうな案件」も遠慮せずどんどん引き受けていくということです。
さらにその上で、仕事外の時間でも自分のWordPressをいじくり回して遊んでいました。
そんな感じで WordPress漬けの生活 をし始めて、2、3ヶ月目くらいだったでしょうか。
「そろそろテーマ、作れるんじゃないか?」
と思い始めるわけです。
実際にはまだそんなスキル全然ないんですが、「あとこれと、あれと、あの辺のことを学べば作れそう」という目処がたってきた、という感じでしょうか。
とはいえ行動に移すことはせず、「本気出せばたぶん作れそうな気がするぞ」とは思いながら、しばらくそのまま仕事を続けていました。
このままズルズルとやらない状態が続くというのがあるあるパターンですね。
ただ、引き続き仕事をこなしているうちに、仕事に対する考え方にも変化が生まれてきました。
フリーランスとして働いて気づいた、自分の価値観
自分がフリーランスになった理由は 就職が嫌だった からでした。
電車も嫌だし朝決まった時間に起きるのもしんどいし、なにより、会社から与えられた仕事をこなすだけなのが嫌 だったんです。
そんな嫌なことを避けフリーランスとして生きていると、確かに、自分で自由に仕事を選べるようになりました。
しかしふと、あることに気づいたんです。
誰かの依頼に対して仕事をこなす という構造には、会社員となんら違いのないことを。
仕事をくれるのが「会社」なのか「自分で選んだクライアント」なのかが変わるだけ。
「これやってよ」に応えて、その報酬を得る。 この構図は一緒なんです。
そして、「自分はその構図自体が嫌かもしれない」ということに気づいてしまいました。
もう完全にただの社会不適合者です。
かと言って野垂れ死ぬわけにはいきませぬ。
じゃあ自分はどうしたいのか。
それを改めて考えてみると、「好きなことだけしていたい。」という普遍的な欲求にたどり着きました。
ただし世の中そんな甘くないことも理解しています。
「好きなこと」=「誰かにとって価値のあること」という条件を満たさないと、食ってはいけません。
そこで、自分が目指す生き方 を次のように表現することにしました。
自分から価値を生み出し、その対価としてお金を貰って生きていきたい。
これです。
じゃあ、「今自分がやりたいこと」で、かつ「誰かにとって価値のあること」って何かあるかなと考えた時に、
「WordPressテーマ作ってみればいいのでは?」と頭に浮かんできたのです。
「新たな生き方の第一歩は、これだ!」と、この時点で、テーマ開発に挑戦することは確定しました。
ただ、ここまできてもまだ「来年くらいから作り始めようかな〜」くらいに思っただけで 行動には移せませんでした。
- そんなさくっと開発できるようなものではないし、
- まだまだフリーランスとして収入を安定させるために頑張らないといけない時期だし
- もっと貯金も貯めて、
- もっとWordPress開発の経験を積んでから、
- もっと、もっと….
そんな風に思っていたのです。
まだまだ典型的な「結局やらんやつ」の思考回路でした。
開発に踏み切ったきっかけ
じゃあ、なぜ実際に「作る」という行動に踏み切れたのか。
それは、『Gutenberg』の存在を知ったからでした。
いつから作り始めようかと悩んでいた頃、こんな情報を発見しました。
「もうすぐ WordPress 5.0 がリリースされて、エディターが何やら激変するらしい」
どこで見たのか、あるいは聞いたのかは忘れましたが、『Gutenberg』とかいう次世代のエディターに切り替わるということを知ったのです。
「じゃあ、今じゃん。」
そう思いました。
「WordPress5.0 の新エディター対応のテーマ」としていち早く名乗りを上げれば、無名の自分が作ったものでも興味を持ってくれる人がいるんじゃないかなと思ったのです。
行動に至る「最後のひと押し」が足りなかった私には、絶好のタイミングでした。
それから程なくして、私はテーマ開発に取り掛かり始めます。
2018年、9月末頃のことでした。
そこからは開発の日々です…。(ああ、きつかった…。)
私がテーマ開発を通して学んだこと
最後に、私がテーマ開発を通して学んだことを伝えて締めくくろうと思います。
それは、
「準備」なんてものは不要!
ということです。
「あれやってみたいな。でもやるのはもうちょっと色々と準備してから…」でおなじみの「準備」ですね。
はい、これいりません。
- 「貯金をして生活が安定してから」
- 「勉強をスキルをつけてから」
そんなもの、全く不要でした。
思い切ってやってみれば、意外となんとかなるんです。
本当に必要な「準備」ももちろんあります。
しかしそれは、具体的な計画が見えているものです。
(例えば、「起業するために〇〇万円必要だから、そのお金を◯ヶ月で貯めてから退職しよう」のようなケース)
「曖昧な準備」は、いりません。
やりたいことは、やりゃあいんです。
そんなこと皆さん分かってるとは思いますが、実際行動を起こすのは難しいですよね。でもだからといって、無意味な準備ばかりしていて結局行動ができなかったら、本末転倒です。
やりたいことは、深く考えず一旦チャレンジしてみる。
失敗したらそれはそれで経験値になります。
たくさん行動して何度もチャレンジしていれば、いつかまた大きなチャレンジを迎える頃、これまでの行動によって積み上がった経験値によって、すでに色んな準備が自分の中で整っている状態になったりもしそうじゃないですか(しらんけど)。
いわゆる「点と点が繋がる」というのは、そういうことなんじゃないかなと(しらんけど)。
私の中で『SWELL』の開発はまだ一つの「点」にすぎません。一つの点を作ることができた段階です。
私の中でそれはきっと、大きな経験値となってくれるでしょう。
これからも無意味に小さなリスクに恐れることなく、どんどん点を作っていこうとおもいます。
みなさんもぜひ、作りたいものがあるなら今すぐ作りはじめてみて下さい。